MMB
企業情報




CSR



事業紹介 技術情報 技術情報


施工実績 リンク 採用情報 採用情報



お問合せ
HOME > 技術情報 > 技報 > Vol.4より
三菱重工工事技報 VOL.4より
4-1 来島海峡大橋は、愛媛県の大島と今治市間約4kmの来島海峡を3本の吊橋で跨ぐ世界初の3連吊橋である。来島海峡は、海峡にある武志島と馬島によって3つの水路に別れ、そのうち中水道と西水道は海上交通安全法に基づく国際航路であるが、最大10ノットにも達する強潮流に加え狭く屈曲しており、航行船舶は1日1,000隻にも及ぶ。このため船舶の安全航行を考慮して、世界で唯一、順中逆西(中水道は順潮航行、西水道は逆潮航行)の変則航行が適用されている。本文では、このような厳しい自然環境と多数の航行船舶の条件下で、迅速かつ安全に補剛桁の直下吊上げ架設を施工するために開発、採用された自航台船、リフティングビーム(直下吊り架設設備)などの架設機材を主体に工事の概要を報告する。
4-2 多々羅大橋は、本州四国連絡橋尾道〜今治ルート(瀬戸内しまなみ海道)のほぼ中央に位置し、広島県生口島と愛媛県大三島を結ぶ、橋長1,480m、中央支間長890mの世界最大の斜張橋である。本橋は、中央径間(890m)に比して、側径間(生口島側:270m、第三島側:320m)が短いことから、死荷重のアンバランスを解消させるため、側径間の端部にPC桁を配置した鋼・コンクリートの複合構造となっている。本稿では、当社が建設を担当した橋梁の中央より広島県側(1A方)の鋼桁部分に関し、技術的に特徴がある大ブロック架設、ケーブル架設、塔頂クレーン解体及び架設精度管理の概要を報告する。
4-3 当社では広島市内の河川上に架ける数多くの橋梁を、潮の干満差を利用した台船工法により架設した実績を持つが、本橋もそれと同じ工法による事例である。本橋は海の玄関口に位置し、周辺の自然と調和し市民の象徴である近代的なランドマークとして景観に配慮した橋梁である。これまでの市内河川上に架かる橋梁は鈑桁か箱桁がほとんどで、1ブロックの重量は数百トン程度の桁であったが、今回の連続アーチ橋は最大ブロック重量が1,100tである。通常、上路アーチの架設はケーブルによる直吊りか、斜吊り工法が多く、台船工法での上路アーチ橋架設は珍しい。本文では、現地の諸条件を踏まえて上路アーチ橋を台船工法で架設するための工法上の問題点、アーチ橋としての形状管理、架設時水平反力の処理の方法などをどのように対処したかについて記述する。
4-4 名古屋市東山区ニュータウンとJR大曽根駅間の朝夕の交通渋滞緩和策として、高架型バス路線(ガイドウェイバス)が計画された。本工事は、このうち3径間連続鋼箱桁の架設で、架設場所は県道302号上にあり、中央径間部が架設される場所は、東名阪自動車道路を跨ぐ2径間連続PC橋梁となっている。このPC橋梁上には大型クレーンが設置できないため、中央径間部の架設は、客先指定工法として、地組み送り出し後、ワイヤージャッキシステムを用いた一括吊上げ工法が計画されていた。発注後、これと同様なシステムを用いた架設桁解体工事中の事故があり、同種の工事に対して、労働省基発707号通達が出た。客先においても、「一括吊上げ工法の安全性を2重、3重にする方向で検討せよ」という指示があり、本工事で用いたシステムを発案し、客先の承認を得て実施した。本文では、この一括吊上げ工事を主体として述べる。
4-5 帷子川橋梁(みなとみらい大橋)は、横浜駅周辺部の交通混雑緩和策およびみなとみらい21地区の交通ネットワーク充実の一環として建設された橋梁である。横浜駅東口前にある本橋は、帷子川と新田間川の合流部に位置し、橋長223m全幅員40mの国内最大級の2径間連続鋼床版T型ラーメン箱桁橋(6主桁)である。橋梁部の路面高を低く抑え、かつ、桁下航路を確保する制約条件から支間長に比べて桁高を極端に低くする必要が生じ、上下フランジ最大板厚75mmを使用している。また、景観を考慮して、外主桁のウェブ、主桁下フランジ、張出しブラケット部は現場溶接継手を採用している。架設工法は、現場諸条件より、常時営業線航路を確保するため台船架設工法を採用した。本文では、厳しい現場諸条件をクリアーするために開発した台船架設トータル管理システムを中心に報告する。
4-6 本工事は交通渋滞緩和のため、首都高速道路湾岸線新木場ランプ・葛西JCT間に位置する荒川湾岸橋を拡幅する工事である。主な施工内容は、東行き車線(千葉方面)を現行の暫定4車線(3.083m×4車線)から正規の4車線(3.500m×4車線)に拡幅し、西行き車線(横浜方面)は現在の3車線を1車線拡幅して3.500m×4車線に拡幅する工事である。これらの工事施工にあたり、既設の中央分離帯に常設作業帯を設置し各ステップ完了毎に常設作業帯を移動しながら、東行き及び西行き車線側の拡幅工事を行った。本文では工事に先立って、実物大実験により、設計・製作・現場施工上の様々な検討課題を検証・解決し、現場施工に反映させたのでその状況について述べる。
4-7 本橋は名神高速道路初期の橋梁で、上下線分離構造の3径間連続PC桁橋である。供用開始から30年余りを経て、耐震性の向上と車両の大型化、将来に設置予定の防音壁等の荷重に対応させるべく支承の取替え工事を行った。本文では本工事における設計手法と工法選定の経緯、PC橋に特有な狭隘部での仮受け方法等について報告する。
4-8 箱形断面の橋梁部材には、その添接部からの浸入雨水により内部に滞水し、腐食によって断面欠損が生じて断面補強が必要となる場合がある。ここでは、こうして生じた箱形部材添接部の添接板の腐食減肉に対して、当該部に高力ボルトとエポキシ樹脂接着を併用して重ね板で補強する方法を提案し、その有効性確認のために行った実験研究の結果を報告する。
4-9 近年車両走行時の振動や騒音の低減目的、さらには、車両の大型化に伴う耐荷重向上などの観点から既設の鈑桁形式の橋梁に対し、主桁の連続化を実施する場合がある。本調査では、このような目的で実施した主桁連続化工事に際し、工事完了後の連続化部に対する応力計測を実施し、解析結果との整合性を検証した。併せて、三菱グループが開発した簡易応力センサーの実用性についても検証した。
4-10 社会的に橋梁の合理化に対するニーズが高まってきており、今後新形式の合理化橋梁が増えることが予想される。その一形式として、上下PC床版+鋼トラスウエブの複合トラスがあり、現地状況や施工期間を考慮すると、PC橋梁でよく用いられている移動式ワーゲンを用いた張出し架設が有力な架設工法として考えられる。しかし、我が国におけるこの橋梁形式の施工実績はなく、これまでにPC橋梁の実績がない当社では、この種の工法に関するノウハウがほとんどない現状であった。そこで、実橋で考えられる1/4縮小モデルを用いた施工性確認実験を行い、実橋で想定される問題点の抽出および対処方法の検討を報告する。
4-11 現地工事に関する技術開発の中から、山間部における鋼橋の工程短縮工法の開発について報告する。山間部では高橋脚が多いことや、環境への配慮からベント設備を設けない架設条件が付与されることが一般的である。従来工法ではケーブルクレーンによる直吊り架設や送出し架設が採用されてきたが、仮設備の大型化に伴う経済性等に課題があった。そこで、PC橋に比べ軽量である有利性を促らえて鋼箱桁に張出し架設工法を適用し、架設先端においてパネルを組立てることにより仮設備を小型化できる工法の開発を実施した。
4-12 近年、幅員の拡大、設計荷重の変更に伴い、アーチ系橋梁の鋼重が増大する傾向にある。そのためケーブルエレクション工法による架設において、吊下げ橋体重量が増加し、門型鉄塔に作用する鉛直荷重が当社保有の鉄塔では断面不足となるケースが生じている。また、既存の鉄塔材は継手部がスプライス構造であり、接合に外部足場を必要とし、塔頂梁、水平材の組立解体時に、危険度の高い作業が多く発生する。そこで、鉄塔の断面性能および安全性の向上を目的とし、新型鉄塔の設計・製作を行った。本文では、新型鉄塔の計画・設計・製作・施工について報告する。
4-13 ある時期に特定架設工法の集中がしばしば発生する。当社では平成10年から3年の間にケーブルエレクション工法が集中した。ケーブル架設工事で発生した他社災害として、平成4年には広島で平成9年には北海道で橋梁の閉合直前に落橋という事例が報告されている。いずれも後方控え索のクリップの滑り耐荷重に問題があったとされている。当社でもケーブルクレーン組立中に径の異なったワイヤ継ぎ手が作業中に抜け落ちる事故があった。ワイヤ作業ではこれら端末加工を必ず要するので、繁忙を期に作業標準を見直した。端末部の耐荷力に関する文献資料に乏しく、特に通常に管理された実用品機材での信頼性を推定できるデータが少なかったので、自社で各種の確認検証テストを実施したが、ここでは次の5項目のテスト結果について報告する。1.径50mmワイヤのU字クリップによる端末止め、2.径60mmワイヤのM型クリップによる端末止め(社標準タイプ)、3.径60mmワイヤのM型クリップによる端末止め(メーカー標準タイプ)、4.異径ワイヤのショートスプライス継手、5.異径ワイヤのいわし継手
4-14 従来の煙突形式は自立型、鉄塔支持型、多脚型が大半であったが、最近は地域の景観、周辺機器とのバランスを考慮した景観調和型の煙突が建設されるようになった。今回、ここに紹介するウィンドシールドラーメンタイプ集合煙突は、多脚型煙突に外装板を取付けた景観調和型煙突である。この煙突の構造は、従来の3〜4本の筒身で1つの煙突としたものと違い、7本の筒身をまとめて1つの煙突となるように設計されている。そのため、高さは150mと低いが煙突重量は約7,600tとなり、架設ブロックの重量・形状とも従来より非常に大きなものとなった。本稿では、4脚7筒ウィンドシールドラーメンタイプ集合煙突の架設に際して、三菱の煙突工事では最初となる160t大型タワークレーンを使用した筒身・外装板等の大型ブロック架設の方法および架設時の筒身・外装板の精度確保対策等について概要紹介する。
4-15 東京電力(株)千葉火力発電所1・2号系列用煙突は、旧発電設備の老朽化および電力需要の増加に備え、リニューアルな発電設備として、36万kw×4軸×2系列の発電所に変貌すべく、建設されたものである。本煙突は平成6年から平成8年にかけて建設した東京電力(株)横浜火力7・8系列用の煙突工事と同種のRC内筒型煙突の工事であり、施主からも大幅なコストダウンが要求された。そのため、基本設計段階より構造・工法・工程等種々の面において、検討を行い改善提案が織り込まれた。特に、設計製作段階では、設計担当者と協議し、構造検討を行うとともに、現地工事計画では、工程短縮の観点より、内筒建方工事に着眼し、ワイヤクランプ式ジャッキの改善、エレベーターシャフト・支持梁の架設工法の改善をメインにコスト低減を図った。
4-16 葛野川発電所は山梨県大月市に40万kw4台の発電機を有する地下発電所を設け、富士川水系に上ダム、相模川水系に下ダムを配する日本最大の純揚水式水力発電所である。我国の経済発展に伴い、揚水発電所が順次、新設されてきたが、経済効率の良い地点から開発されているので、近年の開発地点では水圧管路が長くなり、且つ、発電機の技術革新で高揚程発電所となった。そうした背景より水圧鉄管工事量は飛躍的に増大したが、契約工期は従来の施工地点と比べて大幅な工期短縮を要求されている。本工事は、三菱・酒井・川重の共同企業体で施工しているが、本書では当社が施工担当した?期工事の内、「下部斜坑部」の短期工期工法採用により客先意向をかなえた技術報告である。
4-17 厚膜型ポリウレタン塗料を本格的に現地施工に採用したのは、ここに紹介する中部電力(株)碧南火力発電所4・5号機復水器循環水管現地工事が初めてである。従来の復水器循環水管(海水導入管)の外面塗装にはコールタールエナメル・ガラスクロス二重巻き塗装が採用されている。しかし、加熱溶融に伴う温度管理や煙、臭気等の施工上における安全衛生・環境面、それに感温変化による塗膜の損傷など、様々な問題点が近年指摘されるようになってきた。このような経緯から代替材料として本塗装が開発された。本塗料は有機溶剤を使用しない二液混合タイプの塗料なので、施工上の安全衛生面に優れ、耐食性、耐海水性が高いことから循環水管にとどまらず海洋構造物、ケミカルプラント、鋳鉄管など多様な機種への用途が広がると考えられている。しかしながら、本塗料の2頭ガンスプレーによる工場塗装は確立されていたものの、限られたエリアにて行う現地ヘラ塗装の実績はほとんどなかった。本文は今回の実績をもとに施工法の確立、塗料性状を取りまとめて現地施工の状況、結果を記述する。
4-18 昭和30年代前半までは、鋼構造の接合といえばほとんどリベットに限られていた。しかし、40年代の高度成長期の労務費の高騰、リベット工の不足、?鋲時の騒音公害が殊に都市部で問題化し、鋼構造の接合法は溶接と高力ボルトに主流が移った。水門扉の接合法も同様に溶接接合が主体となったが、三菱重工が受注したダム副ゲート、現在施工中のダム主放流設備等では施工時の熱影響による精度管理の困難さ、特に機械加工部に与える歪みを考慮に入れた性能確保の重要性から鋲接合が採り入れられた。本稿は、この工事の施工性と品質確保の見地より実施した?鋲の施工試験について報告する。
4-19 近年、都市再開発や地域振興の要めとして文化施設が脚光をあびている。三菱重工業(株)は、愛知芸術文化センターをはじめとして多くの劇場・ホール等の文化施設に各種舞台機構や空間可変機構等を納入してきた。重工工事(株)も当初よりこれらの据付け工事に参画し、特に劇場舞台装置の吊物機構や床機構の据付け実績を豊富に持っている。本稿で紹介する「滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール」の吊物機構は国内1・2位の超大型クラスの舞台装置であり、重工工事(株)にとっても最大規模の据付け工事である。本劇場は大津市の琵琶湖畔に位置し、大ホールと中ホールとが各々曲率の異なるふたつの美しい曲面屋根の外観をもつ建物で、オペラやバレエ公演が可能な四面舞台を有する大ホール(1848席)、演劇公演に適した中ホール(804席)、小編成クラシック音楽に適した小ホール(323席)、大ホール主舞台と同サイズのリハーサル室を有している。
4-20 火力発電所向け鉄骨架構およびサイロの製作・架設工事において、厳しい工程と狭隘な建設現場の制約下で、製作過程においては継手方法等の構造改善、材料変更の提案による早期材料入手、製作工程の整流化により手戻り作業をなくし、納期確保を実施した。また架設過程においては、狭隘な用地の有効活用および施工方法の改善等を実施し成果が得られたので、ここに報告する。
4-21 1998年、フィリピン共和国にて施工された海外橋梁工事について記す。施工場所はルソン島のマニラ首都圏ガダルーペ市とその北方120kmに位置するパンパンガ州マバラカット町近郊の2地点である。前地点のマニラLRTは、マニラ首都圏の慢性的交通渋滞を解消するため、完成が国民悲願でもあるLRTのシンボル的橋梁である。後地点のバンバン橋他1橋は20世紀最大の火山爆発といわれているピナツボ火山災害の緊急復旧工事の一環として行われた。本文では、この工事の架設計画から現場施工までの様々な問題点や貴重な体験の一端を報告する。
4-22 昭和47年設立当時、機材は神戸・横浜・広島3支社がそれぞれ保有し、重工各事業所の構内或いは構外に保管していた。その後、機材の増加及び各事業所の工場拡張と相俟って機材置場も手狭となり、構外に移転先を探し、神戸の機材は昭和50年に、広島は昭和55年にそれぞれ重工高砂製作所の借用地(現在の高砂センター25,000m2)へ、また横浜は機材は昭和58年に栃木県西那須野の民間借用地(旧西那須野センター)へ移した。その後、平成に入って、公共投資の増大などから工事量は関東以北を中心に増えて、横浜支社への機材払出し量のウェイトが大きくなってきた。その当時の機材保管量比率は高砂7:西那須野3であったが、橋梁工事用機材を中心に物量が西部地区3:東部地区7となる見通しとなり、西那須野へ相当量の機材移転が必要であると判断された。このような背景から平成2年に東部地区に新たに機材置場用地取得が計画され、その後紆余曲折を経て平成8年に現那須センターの土地を取得した。平成9年から社内工事として造成を開始し、平成10年4月に完成した。
個人情報保護方針  サイトのご利用条件